「部下の話は聞いているのに、なかなか本音が出てこないんです」
40代・50代の管理職の方から、よく聞く言葉です。
日々、指導もしている。ものすごーく気も遣っている。
それでも、なぜか手応えがない。
悲しいほどに……ない。
その違和感の正体は、上司の能力不足ではなく、関わり方のズレにあるかもしれません。
昭和型リーダーシップの落とし穴
40代・50代の管理職の皆さんは、いわゆる昭和型のリーダーシップを知らず知らずのうちに実践されている方がほとんどです。
組織を前に進めるために、力強く、グイグイひっぱるタイプです。
真面目で責任感のある上司ほど、「早く判断する」「正解を示す」ことを求められてきました。
この環境の中で、ご自身も成長され、成功もされてきましたので、リーダーはこういうもの!という強い信念がおありです。これ自体は悪くないのですが、実は、若手世代や令和時代との相性がとても悪いのです。
今の職場では、この関わり方が“対話を拒否する関わり”と受け取られることがあります。
上司は手を差し伸べ、効率的に進めたつもりでも、部下は「話を聞いてもらえなかった」と感じてしまう。
このすれ違いが、育成を難しくしています。
気付かない「攻撃型」の関わり
そこで、研修の中では、あるコミュニケーション方法をご紹介しています。
このお話をすると、多くの管理職の皆様が、少し驚いた表情になります。
部下とはいい関係だという上司の方でさえ、振り返ってみると、
「最後まで聞く前に結論を出している」
「部下の考えを聞いた”つもり”で、結果に反映していない」
「沈黙を待てず、話を進めてしまっている」
こうした関わりが、攻撃型の関わり方として受け取られてしまいます。
昭和世代の管理職には、良かれと思って、この関わり方をしてしまう場合が多くあります。
一方で、これが時代に合わないからと言って、言いたいことを飲み込む関わり方を続けると、
その場は穏やかでも、自分の中にモヤモヤが残り、これまた関係は一向に深まりません。
部下を育てる関わり方
そこで、おすすめなのが、アサーティブコミュニケーションです。
自分も相手も尊重し、意見を「混ぜて」次に進む関わり方です。
いわば攻撃でもなく、我慢でもない第3のコミュニケーション法ですね。
アサーティブとは、優しくすることでも、我慢することでもありません。
自分の考えを伝え、相手の話を最後まで受け取り、対話の中で次の一手をつくる。
具体的には、
① すぐに「結論」を出さない(結論を出すタイミングを、少しだけ遅らせる)
✕「つまりこういうことだね?」
○「もう少し詳しく聞かせてもらっていい?」
②意見を“評価”せず、“確認”する(「良い・悪い」で判断しない)
〇「そう考えた理由は?」「どこが一番悩んでいる?」
③「自分の意見」は、最後に出す
(部下の考えを出し切ってから、その上で、自分の視点を足す)
部下育成の出発点は、伝え方のスキルを増やすことではなく、自分のコミュニケーションスタイルを見直すことです。
真面目な上司ほど、伸びしろがある!
えー!今さらスタイルを変えられない…と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これまでがんばって築いてきた昭和型リーダーシップを否定する必要はありません。私もどっぷり昭和世代です。局面によっては必要な場面もあると思います。
ただ、若手育成をお考えなら、勝ち負けではないこのやり方をアップデートされることをお勧めします。
真面目な方ほど、少し関わり方を調整するだけで、職場の空気は大きく変わります。その空気感が令和の育成には不可欠なのです。
ぜひ、ぜひ、お試しを!